CFDレバレッジはFXよりも低いが稼ぎにくいのか?

2016年12月11日

CFDレバレッジ比較

レバレッジ規制以前であれば、CFD取引のレバレッジは50倍・100倍の業者が多くあり、高レバレッジ取引が可能でした。しかし、現在はCFD銘柄の種類ごとにレバレッジ規制が設けられたため次のレバレッジに制限されています。

個別株CFD:5倍
株価指数CFD:10倍
商品CFD:20倍

対してFXのレバレッジは次の通りです。

FX:25倍

一見すると「FXはレバレッジが大きく稼げる」、「CFDはレバレッジが低く稼げない」ように見えます。

ですが、本当に「CFDはレバレッジが低いので稼げない」のでしょうか?

そこで今回は為替とCFD銘柄を比較して、1年間の値動きと投資資金10万円で得られる最大利益を調べてみることにしました。

いきなり結論を書いてしまいますが、CFDは為替よりも値幅が大きい銘柄が多いので、低レバレッジでも十分な利益を出すことが可能なんですよね。

それでは、どれぐらいの利益が出せるのか見ていきましょう。

そもそも高レバレッジは退場になりやすい

FXとCFDの比較結果の前に、1つ大切なことを書いておきたいと思います。
それは「高レバレッジだと退場しやすい」ということです。

高レバレッジにすると多少の値動きが大きな損益になります。
利益も大きくなる分、相場を外したときの損失も大きくなります。

投資家の資産保護のための自動ロスカット機能はありますが、証拠金が下回った場合の強制決済では損失も大きいので、相場から退場となる可能性もあるでしょう。

高レバレッジ取引が可能だからと、最大レバレッジで取引するのは注意しましょう。

長期投資の観点で見たときには、「低レバレッジで、値上がり見込みが大きい銘柄に投資する方がより安全な投資」です。
その点で、今回ご紹介するレバレッジ5倍のamazon株の投資は一目置く結果だと思いますね。

FX 1年で取れる値幅は?

それでは実際にFXとCFDで得られる値幅、利益を比較してみましょう。

FXとCFDの値幅・利益 比較にあたっての条件
資金:10万円
保有期間:過去5年間で最も値動きの大きい1年間
比較項目:各銘柄で得られる最大の値幅および利益
 買いポジションの利益額は保有期間の最安値で買い、最高値で売る場合を想定。
 売りポジションも同様の考え。
※簡易的な比較のため、金利、手数料は省略する。

FXは次の通貨ペアを比較対象とします。

  • ドル円(USD/JPY)
    一番メジャーで馴染みのある通貨ペア

  • ポンド円(GBP/JPY)
    「殺人通貨」とも呼ばれる値動きの激しい通貨ペア

ドル円 1年の値動き

ドル円の最大の値動きは2012年9月~2013年8月。民主党から自民党に政権交代したタイミングですね。
上げ相場なので買いポジションです。

資金:10万円
レバレッジ:25倍
期間:2012年9月~2013年8月
安値:77.1円
高値:103.7円
値幅:26.6円
利益:862,505円

ポンド円1年の値動き

ポンド円は通貨の中でも特に激しいと言われる通貨です。
ポンド円の最大の値動きは2015年11月~2016年10月。北海ブレント原油価格の下落に始まり、EU離脱不安から国民投票によるEU離脱決定、利上げ期待の後退など様々な要因が絡んでいます。下げ相場なので売りポジションです。

資金:10万円
レバレッジ:25倍
期間:2015年11月~2016年10月
安値:122.8円
高値:188.8円
値幅:66.0円
利益:873,906円

CFD 1年で取れる値幅は?

続いてCFD銘柄を1年保有してで得られる値幅、利益を見ていきましょう。
CFD銘柄は、個別株CFD、株価指数CFD、商品CFDがありますので、CFD銘柄の種類毎に調べていきます。

  • 個別株CFD:Amazon株
    CFDで投資できる人気の米国株の1つ。2015年には大きな値動きとなっています。

  • 株価指数CFD:日経平均指数
    株価指数といえば、一番馴染みがあるのは「日経平均指数」ですね。

  • 商品CFD:原油
    1年で50%以上の騰落をしています。
    CFD銘柄の中で、2015~2016年で一番人気の銘柄。(GMOクリック証券で取引した個人投資家の出来高より)

Amazon株

Amazon株の最大の値動きは2014年12月~2015年11月です。
上げ相場のため、買いポジションです。

資金:10万円
レバレッジ:5倍
期間:2014年12月~2015年11月
安値:285.3ドル
高値:696.4ドル
値幅:411.1ドル
利益:778,325円

日経平均指数

日経平均指数の最大の値動きは2012年6月~2013年5月です。
上げ相場のため、買いポジションです。

資金:10万円
レバレッジ:10倍
安値:8,230円
高値:16,000円
値幅:7,770円
利益:932,400円

原油

日経平均指数の最大の値動きは2014年6月~2015年5月です。
下げ相場のため、売りポジションです。

資金:10万円
レバレッジ:20倍
期間:2014年6月~2015年5月
安値:42.0ドル
高値:107.7ドル
値幅:65.7ドル
利益:1,068,850円

値幅が取れるからCFDは低レバレッジでも十分

最後に今回FXとCFDを比較した結果をまとめてみましょう。

  1. 原油 1,068,850円
  2. 日経平均指数 932,400円
  3. ポンド円 873,906円
  4. ドル円 862,505円
  5. Amazon株 778,325円

投資タイミングがベストという条件付きですが、FXよりも低レバレッジにも関わらず投資資金10万円で、amazonなら約80万円、原油なら100万円も利益を出すことができます。

「FXよりも低レバレッジだから」とCFDを敬遠する必要はないでしょう。

むしろ低レバレッジでも十分な程の大きな値動き。
これがCFDの魅力ですね。

もちろん明確なトレンド相場というのは外せない条件ですが、
明確なトレンド相場であれば、CFD銘柄に投資してみるのは面白いのではないでしょうか。

今回検証した銘柄は、GMOクリック証券で取り扱っています。