商品先物とCFDの違い・特徴

2016年10月16日

CFD取引を始めてみると、少し気になるのが「商品先物」
CFD取引は商品系の銘柄も扱えるので、商品先物とどちらが良いのか気になってきました。

「商品先物」というと、投資初心者にはかなり危険で敬遠されがちな金融商品という印象がありますが
実際のところ商品先物はどうなのでしょうか?

CFD取引と商品先物どちらのメリットが多いか調べてみました。

そもそも、商品先物とは?

wikipediaより

商品先物取引(しょうひんさきものとりひき)は、農産物や鉱工業材料等の商品を将来の一定日時に一定の価格で売買することを現時点で約束する取引であり、先物取引 (Futures) の一種である。商品先物取引 - Wikipedia

wikipediaの説明だと、先物取引の経験の無い方には商品先物をイメージしづらいですね。

株式取引と何が違うのか?

  • 取扱商品が農産物や貴金属などの商品
  • FXのように証拠金取引
  • 買いと売りが両方できる
  • ポジションを保有できる期限がある

ポジションを保有できる期限があるのが大きな特徴でしょう。

商品先物とCFDを比較してみた

取引時間

取引時間はCFDの方が長いです。

商品先物は、東京商品取引所の取引時間のみ売買できます。

  • 8:45 -15:15
  • 16:30 – 4:00

CFD取引は銘柄毎に取引できる時間は違いますが、例えばGMOクリック証券の金CFDの場合は以下の通りです。

  • 8:00 – 翌日6:45

取引銘柄

東京商品取引所で取引できる銘柄は約20銘柄です。

  • 貴金属
    金、金ミニ、銀、白金、白金ミニ、パラジウム

  • ゴム
    ゴム

  • 石油
    原油、ガソリン、灯油、軽油、中京ガソリン、中京灯油

  • 農産物
    とうもろこし、大豆、小豆

  • 砂糖
    粗糖

CFD取引で取り扱える銘柄数は以下の通りです。
DMM.com証券やGMOクリック証券は、商品系銘柄だけで見ると、商品先物よりは少ないようです。

ですが、やはりIG証券は圧倒的に多いですね。
※括弧書きは、商品系の銘柄数。

  • DMM.com証券 7銘柄(3銘柄)
  • GMOクリック証券 138銘柄(7銘柄)
  • IG証券 約11,000銘柄(約200銘柄近く)
    IG証券は銘柄数が多いですね。
    東京商品取引所ではなく、ニューヨーク、シカゴ商品先物を取り扱っているのが豊富な理由です。

レバレッジ

商品先物は高レバレッジの危険な金融商品というイメージが強いのですが、実際には、だいたいレバレッジ10倍~20倍です。
銘柄によりレバレッジは違います。

対して、CFD取引の場合、商品系銘柄は一律20倍です。

  • 商品先物:10倍~20倍
  • CFD取引:20倍

取引に必要な証拠金

CFD取引と商品先物の一番の違いは証拠金でしょう。
商品先物は、扱う単位が非常に大きいです。

例として、金を1枚取引するために必要な証拠金を比較してみましょう。

  • 商品先物:約10万円
  • 商品先物(ミニ銘柄):約1万円
  • CFD取引:約6000円

CFD取引なら1枚あたりの単位が小さく小額で取引できるのですが、商品先物は扱う単位が大きいです。
高リスクと言われる理由は、「扱う単位が大きい」ことに由来しているように感じます。

商品先物には、一部の銘柄に10分の1の単位で扱えるミニ銘柄がありますが、それでもCFD取引の方が小額で取引できます。

手数料とスプレッド

引き続き、金を例に比較していきます。
楽天証券(ドットコモディティ)の手数料は、どの銘柄に関わらず1枚あたり往復640円、ミニ銘柄は往復120円です。

CFD取引の場合、手数料は無料なので実質的な手数料はスプレッドです。
GMOクリック証券の金CFDのスプレッドは30円です。

「金CFDのスプレッドが30円なら一番安いのでは?」と見えますが、金CFDの扱う単位が小さいため一概にそのようには言えません。

金CFDは1枚あたり金31g、金先物miniは金100g、金先物は金1000gに相当しますので、1000g辺りで比較してみましょう。

<金1000gあたりの手数料>

  • 金CFD 930円
  • 金先物mini 1200円
  • 金先物 640円

やはり、CFD取引は小額取引できる分、どうしても金先物よりも手数料が高くなっています。
とはいえ小額取引で考えるのであれば、金先物miniよりもCFD取引の方が手数料が安いことが分かりますね。

金先物 < 金CFD < 金先物mini

まとめ

商品先物とCFD取引の違いをご紹介しました。
まとめると次の通りです。

  • 取引時間
    CFD取引の方が少しだけ取引時間が長い

  • 取引銘柄
    商品系銘柄だけで見ると、商品先物の方がやや多い。
    ただし、IG証券はNYやシカゴ先物が扱えるので銘柄数は多い。

  • レバレッジ
    レバレッジはほとんど同じ。
    商品先物:10~20倍、CFD取引:20倍

  • 証拠金
    CFD取引の方が小額取引。
    先物は取り扱い単位が大きいので、証拠金も10万単位。

  • 手数料
    (金miniと金CFDを比較してみた結果)
    小額取引ならCFD取引の方が安い。

今回比較してみた結果、投資資金が多い方に商品先物は向いてると感じました。
私のように1000万以下の投資資金を扱う投資家には、CFD取引の方が良さそうです。

また、CFD取引は商品に限らず株価指数や海外個別株も扱えます。商品先物ならではのメリットが無い限り、商品先物を取引することは無さそうです。