くりっく株365(取引所CFD)と店頭CFDを比較してみた
日本のCFD市場には、東京金融取引所が扱うくりっく株365(取引所CFD)と店頭CFDの2つがあります。
くりっく株365と店頭CFDは、どちらもCFDですが特徴がかなり違います。
今回はくりっく株365と店頭CFDの違いをまとめてみました。
細かく比較しているので時間が無い方は「くりっく株365と店頭CFD比較表まとめと結論」をご覧ください。
【2017/11/26追記】
東京金融取引所が2017/11/22に発表した「海外株価指数証拠金取引の一部商品仕様の変更について」により、店頭CFD(GMOクリック証券CFDなど)の方が有利になったと言えるでしょう。
くりっく株365と店頭CFD比較表まとめと結論
※店頭CFDは、CFD売買代金国内第1位のGMOクリック証券を参考にしています。
くりっく株365 | 店頭CFD | |
---|---|---|
透明性 | レート提示金融機関が少ない | CFD会社に依存 |
為替影響 | 受けない | 受ける |
銘柄数 | 4 | 162 |
最低資金 | 約1万円 | 1000円以下 |
スプレッド | 広い | 狭い |
手数料 | 約150円~ | 0円 |
レバレッジ | 約50倍~90倍 | 5倍~20倍 |
配当 | あり | 一部銘柄あり |
金利 | 12月18日より 買い:支払い 売り:受け取り |
買い:支払い 売り:受け取り ※NYダウ等の一部銘柄は支払いなし |
人気 | どちらも同じぐらい |
くりっく株365は長期投資向きです。
「為替の影響を受けない」、「配当が貰える」、「金利支払いなし」なので長期投資に向いています。
長期投資にはくりっく株365が有利と考えていましたが、2017/12/18以降、買い建て玉は金利支払いが発生するようになりました。
配当が貰えるものの金利支払いがあるため、以前ほど長期投資に魅力がありません。
>> くりっく株365 NYダウで金利支払い有り!長期投資できるのか?
また、スプレッドが広いため短期売買には向きません。
>> くりっく株365とGMOクリックCFD スプレッドが広いのは?
店頭CFDは、短期売買向きです。
「銘柄数が多い」、「スプレッドが狭い」ので短期売買に向いています。
>> 【店頭CFD】CFDで取引できる銘柄一覧
>> 【店頭CFD】スプレッド比較
>> CFD会社の選び方!4つのポイントで徹底比較
GMOクリック証券CFDでは、S&P500、NYダウなどを買っても金利支払いがありません。
信託報酬がかからないので、長期投資にもメリットがあります。
公式サイト:GMOクリック証券を詳しく知りたい方はこちら
店頭CFDとは? くりっく株365とは?
CFDには、店頭CFDとくりっく株365(取引所CFD)の2つがあります。
店頭CFD GMOクリック証券が主流
店頭CFDは、CFD会社と顧客が相対取引する仕組みになっています。
相対取引とは、株式市場のように「取引所」での取引ではなく、取引所を介さずに個人投資家とCFD会社間で、売り手と買い手となり売買する取引方法のことを指します。相対取引では、CFD会社が提示したレートで売買します。
店頭CFDならGMOクリック証券が主流です。
なぜなら、日本の店頭CFD市場の取引高7割をGMOクリック証券が占めているからです。
※上図は2012年時点のグラフでシェア6割
他にもDMM.com証券やIG証券などもありますが、店頭CFDを始めるならGMOクリック証券は検討すべきでしょう。
公式サイト:GMOクリック証券を詳しく知りたい方はこちら
くりっく株365=取引所CFD
取引所CFDと言えば、「くりっく株365」のことを指します。
くりっく株365は、東京金融取引所が2010年から取り扱いを開始した金融商品です。
店頭CFDの相対取引のように2者間ではなく、取引所で決定したレートなので価格に透明性があると言われています。
現状(2017年時点)において、取引所にレートを提示する金融機関(マーケットメイカー)は2社しかなく、取引所の目指す「顧客有利のレート提示」は、スプレッド幅や値動きを見ても、まだ透明性が高いとは言えない印象を受けます。
今後、マーケットメイカーが増えることを期待したいですね。
店頭CFDとくりっく株365を比較
では、店頭CFDとくりっく株365のどちらが良いのでしょうか?
取引スタイルによって向いている商品が違います。
店頭CFDとくりっく株365でメリット・デメリットがあるので、商品の特性を理解して決めた方が良いでしょう。
透明性の高い取引がしたい→引き分け
くりっく株365が謳う強みは、「複数金融機関が提示するレートから最良を顧客に提示する」価格の透明性です。
しかし、現状はレートを提示する金融機関(マーケットメイカー)が2社しかありません。
昨今のスプレッドの開きや、NYダウ先物とのレート乖離を見ると、東京金融取引所が目指す「透明性の高さ」はまだこれからという印象です。
次に、店頭CFDはレートを提示する証券会社に依存します。
FXの話になりますが、評判の悪いFX会社の中には、「ストップロス狩り、意図的なスリッページ」により顧客が損するように仕向けて儲けているそうです。
ですから、店頭CFDの場合でも、証券会社選びが重要になります。
その点、私が利用するGMOクリック証券は、FX、CFDで共に取引高1位となる人気ぶりで顧客からの支持があります。
GMOクリック証券CFDを利用していて、大きな価格の乖離やスプレッドの開きは感じません。
為替レートの影響を受けない→くりっく株365
店頭CFDの難しい面として為替レートの影響があります。原油先物、金先物は米ドル取引が中心ですから、これらの先物を基にしたCFD銘柄も米ドル換算です。従って、多少ではあるもののドル円の為替レートが損益に関係してきます。
対して、くりっく株365は為替レートの影響を一切受けません。
常に1ドル=100円計算です。NYダウやDAXの取引において為替レートを考えなくて良いのは楽ですね。
「為替レートを考えながら取引するのが面倒!」と考える方は、くりっく株365(取引所CFD)が良いでしょう。
取扱銘柄が多い方が良い→店頭CFD
くりっく株365は、主要な株価指数とはいえ、売買できる銘柄が4銘柄です。
- 日経平均指数(日経225)
- NYダウ
- DAX
- FTSE
対して、店頭CFDはCFD会社によりますが、豊富な銘柄から売買できます。
- DMM.com証券 7銘柄
- GMOクリック証券 約140銘柄
- IG証券 約11,000銘柄
扱う銘柄が多い分、チャンスに出会える可能性は高くなります。
各CFD会社で取り扱う銘柄を知りたい方はこちらをご覧ください。
>> 【店頭CFD】CFDで取引できる銘柄一覧
小額取引がしたい→店頭CFD
GMOクリック証券のCFDは1万円もあれば十分に売買可能です。
対して、くりっく株365は最低でも3万~9万円が必要になります。
最近、FXは1000通貨取引という小額取引が流行っていますが、CFDの方が更に小額取引ができます。
銘柄を選べば、1000円でも売買できます。
お小遣い目的に小額投資を考えている方は、店頭CFDが良いでしょう。
デイトレがしたい→店頭CFD
くりっく株365とGMOクリック証券CFDのスプレッドを比較してみましたが、
GMOクリック証券の方が狭いようです。
更に、くりっく株365は手数料がかかります。デイトレ等の短期売買をしたいなら店頭CFDでしょう。
>> くりっく株365とGMOクリックCFD スプレッドが広いのは?
人気(口座開設数と証拠金残高)→引き分け
口座開設数と証拠金残高から人気を比較してみました。
【店頭CFD】
(日本証券業協会 店頭CFD取引状況(一覧)より)
2013年にCFD会社撤退を受けて証拠金残高、口座数は減少しています。以降、持ち直しています。
2016年9月時点で、証拠金残高:170億円、口座数:130,288件です。
【取引所CFD くりっく株365】
2010年の上場以降、証拠金残高、口座数は右肩上がりです。
2016年10月時点で証拠金残高:438億円、口座数:58,473件です。
口座数は店頭CFDの方が多く、証拠金残高は取引所CFD(くりっく株365)の方が多いですね。
これは、店頭CFDの方が小口の取引ができることに関係してると考えられます。
直近の口座開設件数の伸びを見ても、どちらも1年で1万件前後です。
店頭CFDとくりっく株365の人気はどちらも同じぐらいのようですね。
比較まとめ
くりっく株365 | 店頭CFD | |
---|---|---|
透明性 | レート提示金融機関が少ない | CFD会社に依存 |
為替影響 | 受けない | 受ける |
銘柄数 | 4 | 162 |
最低資金 | 約1万円 | 1000円以下 |
スプレッド | 広い | 狭い |
手数料 | 約150円~ | 0円 |
レバレッジ | 約50倍~90倍 | 5倍~20倍 |
配当 | あり | 一部銘柄あり |
金利 | 12月18日より 買い:支払い 売り:受け取り |
買い:支払い 売り:受け取り ※NYダウ等の一部銘柄は支払いなし |
人気 | どちらも同じぐらい |
くりっく株365は長期投資向きです。
「為替の影響を受けない」、「配当が貰える」、「金利支払いなし」なので長期投資に向いています。
長期投資にはくりっく株365が有利と考えていましたが、2017/12/18以降、買い建て玉は金利支払いが発生するようになりました。
配当が貰えるものの金利支払いがあるため、以前ほど長期投資に魅力がありません。
また、スプレッドが広いため短期売買には向きません。
>> くりっく株365とGMOクリックCFD スプレッドが広いのは?
店頭CFDは、短期売買向きです。
「銘柄数が多い」、「スプレッドが狭い」ので短期売買に向いています。
>> 【店頭CFD】CFDで取引できる銘柄一覧
>> 【店頭CFD】スプレッド比較
>> CFD会社の選び方!4つのポイントで徹底比較
GMOクリック証券CFDでは、S&P500、NYダウなどを買っても金利支払いがありません。
信託報酬がかからないので、長期投資にもメリットがあります。
公式サイト:GMOクリック証券を詳しく知りたい方はこちら
主要なくりっく株365取扱会社比較
取引所CFDならどの証券会社が良いのでしょうか?
くりっく株365を取り扱う証券会社を調べてみました。
くりっく株365の手数料 ※2017/12時点
証券会社 | 手数料(税込) |
---|---|
マネックス証券 | 152円 |
カブドットコム証券 | 153円 |
岡三オンライン証券 | 153円 |
岩井コスモ証券 | 216円 |
インヴァスト証券 | 216円 |
手数料だけで見るとマネックス証券に次いで、岡三オンライン証券、カブドットコム証券ですね。
サラリーマン投資家のための取引ツール比較(スマホ対応状況)
3社(カブドットコム証券、岡三オンライン証券、マネックス証券)はそれぞれPC用の高機能取引ツールがあります。
しかし、忙しいサラリーマン投資家は自宅で取引するよりも、スマホで売買することが多いはずです。
そこで、スマホ対応状況について調べてみました。
岡三オンライン | マネックス証券 | カブドットコム | ||
---|---|---|---|---|
スマホ対応 | ○ | ○ | ○ | |
スマホアプリ | android | ○ | × | × |
iphone/ipad | ○ | × | × |
スマホ対応状況で見ると明確な差がありました。
現時点(2017/12)においては、岡三オンライン証券が一番良さそうですね。
岡三オンライン証券について調べてみると、くりっく株365の自動売買ができるそうです!
忙しいサラリーマン投資家に自動売買ツール「RSS 365CFD」は、かなり気になる機能です。
「RSS 365CFD」は、よくある”売買ルールお任せ”ではありません。
売買ルールお任せの自動売買に、自分の大切な資金を預けるのはおススメできません。
楽だからとお任せにしてしまうと、「よく分からない売買ルールで資金が減っていくだけ」です。
その点、岡三オンライン証券の自動売買ツール「RSS 365CFD」は、自分で売買ルールを定義できます。
自分で売買ルールを定義する方式は、専門知識が必要なことが多いのですが
サイトに雛形が公開されているので専門的な知識は不要です。Excelが扱えれば利用できます。
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