ETFとCFDの違い・特徴
原油やNYダウ平均株価を取引したいと考えてる方は、「ETFとCFDどちらが良いのか?」と考えたことがあるのではないでしょうか。今回はETFとCFDを比較してみました。
実は、ETFに比べてCFDには多くのメリットがあることが分かりました。
目次
そもそもETFとは
東京証券取引所などに上場している投資信託です。
通常の株式と同様に売買できる手軽さがある金融商品。
ETFにはNYダウ平均株価、原油、金、銀、プラチナ、とうもろこし等の多くの銘柄があります。
ETFとCFDを比較してみた
ETFも色々と種類があるため、今回は次の2つの銘柄を例として比較していきます。
- NYダウ(米国株の株価指数)
- 原油WTI
取引時間 ETFは夜間取引できない
ETFは国内株式と同様に取引できますので、東京証券市場が開いている9:00 – 11:30、12:30 – 15:00の時間帯に売買できます。
ETFは株のように手軽に取引できますが、夜間は取引できません。
夜間に取引できないので、損失が広がる場面を眺めることしかできない場合があります。
例えば、ダウ平均株価のETF(1546)のチャートを見ると、所々で値が飛んでますね。
これはすべてETFが取引できない時間帯に動いたからです。
原油ETFのチャートも見てみましょう。
原油ETFはダウ平均株価よりも値が飛んでますね。
ETFの手軽さは魅力的ですが、夜中の値動きに対して何もできない欠点があります。
本格的な投資には不向きかもしれません。
対して、CFDはほぼ24時間取引。
夜間も取引できるので米国市場の暴落にも対応できます。
為替リスク CFDの方が為替変動に強い
CFDの方が為替リスクに強いです。
CFDは元本全体ではなく、損益に対して為替の影響を受けます。
例えば、為替レート100円でS&P500(米国の日経平均指数みたいなもの)に20万円を投資したとします。
S&P500は非常に高いパフォーマンスですが、為替レートの影響を受けます。
CFD | ETF | |
---|---|---|
100円 | +2万円 | +2万円 |
95円 | +1.9万円 | +0.9万円 |
90円 | +1.8万円 | -0.2万円 |
ETFは、円高には非常に弱いです。
S&P500投資のつもりが、為替投資になってしまっているかのようです。
CFDは商品の仕組み上、「損益部分に対してのみ為替の影響」となっています。
ですから、為替をほとんど気にせずS&P500投資ができます。
CFDの損益計算式 (為替レート:90円の場合)
20万円 × 10% × 90 / 100 = +1.8万円
最大レバレッジを比較 CFDは資金効率良し
ETFは株と同じなので現物取引なら1倍、信用取引なら3.3倍です。
CFDの場合、NYダウなどの株価指数CFDは10倍、原油などの商品CFDは20倍です。
CFDの方が資金効率良く取引ができます。
(もちろん、高いレバレッジを避けたいならレバレッジ1倍にもできます。)
最小単位の取引に必要な資金
最小単位を取引するために、いくらの資金が必要か調べてみました。
ETF、CFDどちらも小額から取引できます。
銘柄 | ETF | CFD |
---|---|---|
NYダウ | 約1.8万円 | 約1.8万円 |
原油 | 約2,000円 | 約2,000円 |
しかし、ETFはレバレッジが低いので利益がほとんど出ません。ETFの最小単位取引は現実的ではありません。
<NYダウが18000円から18500円に上昇した場合>
NYダウETF(1546):+500円
NYダウCFD:+5,000円
<WTI原油価格が40ドルから42ドルに上昇した場合>
WTI原油ETF(1671):+100円
WTI原油CFD:+2,000円
CFDはレバレッジをかけることもできるので、小額でも大きな利益が狙えますね。
ETFでは、大きな利益を出すためには更に資金が必要になります。
手数料とスプレッド CFDが安い
最小取引単位あたりの手数料とスプレッドです。
取引額10万円以下:150円
取引額20万円以下:200円
ETFは小額から取引できますが、株の手数料体系になるので手数料がかさみます。
CFDは手数料が無料なので、買いと売りの価格差(スプレッド)が実質の手数料です。
スプレッドを見るとCFDの方が良さそうです。
NYダウ:30円
原油:60円
年利益20万以内なら税制上のメリットも
色々とCFDのメリットを挙げてきましたが、税制上のメリットも大きいです。
CFDは雑所得の扱いなので、サラリーマンの場合、年20万円以内の利益なら確定申告が不要です。
雑所得にかかる所得税は約20%ですから、20万円の20%、4万円もETFに比べて有利。
ETFではなくCFDで取引をするだけで
所得税で払う4万円を毎年、投資信託や株主優待狙いなどに回すことができます。
まとめ
ETFとCFDの違いをご紹介しました。まとめると次の通りです。
- 取引時間
CFDの方が長い。ETFは夜間の急激な相場変動に対応できない。 - 為替リスク
CFDの方がドル円などの為替レートを気にしなくて良い。
ETFは為替レートを気にする必要がある。 - レバレッジ
ETFは現物取引ならレバレッジなし、信用取引なら3.3倍。
CFD取引は10倍~20倍。CFD取引の方が資金効率は良い。 - 最小取引に必要な資金
ETFとCFD取引にはほとんど差がない。
しかし、ETFの最小単位の取引は非現実的。 - 手数料
ETFは、株と同じ手数料。CFDの方が手数料は安い。 - 税制面
CFDは、年利益20万以内なら確定申告不要。
ETFは手軽に投資できますが
取引時間外の変動や、為替リスクを考えなければいけません。
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