くりっく株365 NYダウで金利支払い有り!長期投資できるのか?

2017年11月26日

当サイトでは、「くりっく株365は長期投資に有効な金融商品」とご紹介してきました。
ところが、2017/11/22 東京金融取引所より「海外株価指数証拠金取引の一部商品仕様の変更について」が発表されました。

12/18以降は「NYダウの買い建て玉に対して金利支払い」が発生するようになります。

NYダウの長期投資を考える投資家にとって非常に大きな痛手では?

金利支払いありでもNYダウ配当取り戦略が有効なのか?
NYダウの買い建て玉の金利と配当を比較してみることにしました。

【2017年12月時点の結論】

金利の支払いにより、NYダウ長期投資の実質的な配当利回りは0.5%程度とかなり下がります。今後、米国は利上げが見込まれますから「支払う金利が配当を上回るケース」も考えた方が良いでしょう。

私は将来の利上げを見据えてGMOクリック証券 CFDに切り替えました。

GMOクリック証券CFDは、くりっく株365と違い金利がかかりません。
NYダウ長期投資は十分に可能です。

【注意 12月20日追記】
12月18日の金利は当初案内されていた額よりも多く、1日辺り-189円でした。

-189円が恒常的だとすると、、
配当を食い潰しマイナスになります。

今後、ドルの利上げが進めば、更に損失が拡大する恐れがあります。

東京金融取引所 発表 金利支払い発生について

東京金融取引所が2017/11/22に発表したお知らせを抜粋してみます。重要な箇所を赤字にしています。


 取引所株価指数証拠金取引(以下、「くりっく株365」)のうち、NYダウ証拠金取引を含む海外株価指数の金利相当額算出の適用金利を、平成29年12月18日より、円金利から、各々の対象指数の外貨金利に変更致します。
 「くりっく株365」のNYダウ証拠金取引のマーケットメイカー(以下、MM)は、カバー市場として米国のNYダウ先物市場を利用していますが、このカバー市場では米ドル金利が適用されています。一方、「くりっく株365」では円金利が適用されているため、両者間で金利差が生じます。
 10月以降のNYダウの最高値更新を受け、買い建玉が大きく増加した結果、MMのカバー市場における建玉残高に日々コストが発生しています。そのため、MMは金利差によるコストを抑えるために、現物価格より相当高い売値提示と売数量を少なくせざるを得ない現象が発生しています(投資家の皆様からお問い合わせ等が寄せられました)。
 本来、円建てのNYダウ証拠金取引では、MMは、米ドル建ての先物市場の価格を参考に、需給、相場、建玉の状況等を勘案して価格を提示しており、「くりっく株365」の価格は、NYダウの価格そのものではありません。しかし、今回の商品仕様の変更により、MMが提示する「くりっく株365」市場の価格と現物価格との価格差が縮小することとなります。

海外株価指数証拠金取引の一部商品仕様の変更について | TFXからのお知らせ|株式会社 東京金融取引所

くりっく株365のメリット「金利0でNYダウが買える特徴」は、価格提示するマーケットメイカーの努力だったようです。

くりっく株365は「長期保有の配当戦略」が強みでしたから、買い建玉が大きく増加したのでしょう。今後もドルの金利引き上げが続ければ更に支払い金利が増えそうです。

それにしても、取引しない投資家により発生するコスト(米ドル金利と円金利の差)を、取引する投資家のスプレッドで補う状況は、不自然な構図だったと言えるでしょう。

どれぐらい不自然なのか、大きな乖離があると書かれている買いと売りのスプレッドを見てみました。

NYダウは85pips。

1枚保有した時点で、スプレッド差により損失8500円になります。

くりっく株365は手数料が高すぎますね。
くりっく株365でデイトレ、スイングトレードはほぼ不可能でしょう。

なお、GMOクリック証券CFDなら1枚取引した際の実質の手数料は90円程度で済みます。

金利を支払っても、NYダウの配当取り戦略は有効か

金利を支払っても、NYダウの配当取り戦略は有効なのでしょうか?
順を追って確認していきます。

まず、くりっく株365公式ホームページより、2016年と2017年のNYダウの配当実績を確認してみました。

2016年、2017年を合わせると64967円が配当です。

引き続き、支払い金利を確認してみます。
12/18以降は毎日約102円の支払いがあるそうです。

もし、当初から金利支払いがあったらどうだったのでしょうか?
2016/6/27~2017/10/31は、492日あります。

102円 × 492日 = 50184円。

支払い金利は50184円。

配当 – 支払い金利
64697円 – 50184円 = 14513円

年利回りは、0.5%程度となってしまいます。
今まで、くりっく株365のNYダウは、日経平均を超える高い配当利回りと謳われていましたが、金利支払いが発生すると配当はほとんど期待できないことになります。

【12/20に利回りを再計算した結果】
上記の配当と支払い金利を差し引いた利回り計算は、東京金融取引所の発表内容からの想定です。12/18の実際の支払い金利に基づく計算はこちら。年利回りは-0.8%です。

◆支払い金利
189円 × 492日 = 92988円

◆配当 – 支払い金利
64697円 – 92988円 = -28291円

→年利回りは-0.8%

GMOクリック証券CFDが有利か?

これまで、GMOクリック証券CFDと比較したくりっく株365のメリット、デメリットは以下の点でした。

【メリット】
・配当が貰える
・為替レートが常に100円

【デメリット】
・スプレッドが広い
・取引手数料がかかる
・取り扱い銘柄が少ない(NYダウ、日経225、FTSE100、DAX)

ですが、金利支払いにより配当メリットが少なくなった今、残ったメリットは「為替レートが常に100円」という点のみです。

【メリット】
配当が貰える (金利支払いによりほぼ相殺)
・為替レートが常に100円

【デメリット】
・金利支払いがある
・スプレッドが広い
・取引手数料がかかる
・取り扱い銘柄が少ない(NYダウ、日経225、FTSE100、DAX)

しかし、GMOクリック証券CFDも、為替レートの影響を損益にしか受けないメリットを持っています。(元本は為替レートの影響を受けない)
ですから、くりっく株365の「為替レートが常に100円」というメリットはそこまで大きくありません。

むしろドルの金利引き上げが行われている昨今の情勢を考えれば、円安トレンドにまったく乗れないデメリットとさえ言えます。

GMOクリック証券CFDは、くりっく株365と同じように株価指数を取引できますし、メリットも多くあります。

  • NYダウ投資で金利支払い不要
    米国の金利を気にせずに長期投資ができる。

  • スプレッド狭い、手数料なし
    デイトレやスイングトレードもやりやすい。

  • 取り扱い銘柄が豊富(138銘柄)
    日経平均、米国の株価指数(NYダウ、S&P500、ナスダック指数)、米国株や中国株など。くりっく株365のようにDAXやFTSE100もあります。

  • ロスカットが建玉毎
    建玉毎に自動で損切りラインが設定される仕組みなので、想定外の急落にも強い。

  • 100%信託保全
    仮にGMOクリック証券が倒産しても100%資金が守られます。
    (くりっく株365で守られる資金は1000万上限なので要注意)

私はこの件を機にくりっく株365のNYダウ配当取り戦略を辞めて、GMOクリック証券でS&P500の買い放置戦略1本に切り替えました。
>> 年利20% S&P500CFDのレバレッジ投資

くりっく株365の長期投資を見直されている方は、GMOクリック証券CFDを考えてはいかがでしょうか。

公式サイト:GMOクリック証券を詳しく知りたい方はこちら

【12月20日 追記】
くりっく株365投資家の友人に確認したところ、NYダウ、FTSE100共に金利が想定以上に高いので、私のようにGMOクリックのCFDに移るそうです。

GMOクリック証券CFDもくりっく株365と同じように株価指数に投資できるので、敏感な投資家から切り替える流れとなるでしょう。