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くりっく株365 NYダウの現物との乖離を検証。ロスカットの恐れも

2017年12月30日

2017年の記事です。2020年に最新の調査結果はこちら
>> 【調査結果】くりっく株365のNYダウ乖離はどうなったのか?

先日の記事でご紹介したように、くりっく株365は2017/12/18から金利支払い・受取りが発生するようになりました。NYダウ買いの場合、金利が配当を相殺してしまうどころか配当を上回る支払いとなる見込みです。

>> くりっく株365 NYダウで金利支払い有り!長期投資できるのか?

配当取りを狙ったNYダウ長期投資は考え直す時期となったわけですが、この金利ルールの変更に関連して東京金融取引所から気になるお知らせがありました。

NYダウ指数とくりっく株365 NYダウの乖離についてです。


MMは金利差によるコストを抑えるために、現物価格より相当高い売値提示と売数量を少なくせざるを得ない現象が発生しています(投資家の皆様からお問い合わせ等が寄せられました)。
 本来、円建てのNYダウ証拠金取引では、MMは、米ドル建ての先物市場の価格を参考に、需給、相場、建玉の状況等を勘案して価格を提示しており、「くりっく株365」の価格は、NYダウの価格そのものではありません。しかし、今回の商品仕様の変更により、MMが提示する「くりっく株365」市場の価格と現物価格との価格差が縮小することとなります。
海外株価指数証拠金取引の一部商品仕様の変更について | 株式会社 東京金融取引所

NYダウ指数とくりっく株365のNYダウには乖離があり、問い合わせがあった程とのこと。

どの程度の乖離があったのか?
今回は、NYダウ指数とくりっく株365 NYダウの乖離を検証してみました。

現物が上昇しても、くりっく株365のNYダウは下がる場合も

結論から書くと、現物のNYダウ指数が上昇しても、くりっく株365は連動せずに下がる場合もありました。

もちろん、CFDでは「現物指数との乖離」が有り得ます。
CFDは現物取引ではなく、マーケットメイカーや証券会社が提示したレートで取引をする差金決済取引ですから、多少の乖離は起きて当然です。

しかし、くりっく株365の場合
NYダウ指数が過去最高を更新しても、くりっく株365のNYダウは下がる日も。

NYダウ指数とくりっく株NYダウの日足チャート(終値)を比べてみましょう。

これを見て驚いたのは、11/8までに徐々に現物との乖離が起き、11/8~11/13の間(ピンク色の線を引いた箇所)に、くりっく株365では-1500も下がっています。NYダウ指数はその間-120ですから、くりっく株365 NYダウならではの値動きが-1380もありました。

乖離が著しい箇所で買い、乖離が戻った段階で大損してロスカットした方も居るでしょう。

ちなみに、GMOクリック証券CFDは時系列データを公開していないので厳密な比較はしていませんが、日足チャートから何箇所か確認すると、NYダウ指数との乖離は10~30$程度に収まっています。NYダウ指数に近い値動きを望むなら、GMOクリック証券CFDの方が良いかもしれません。

今後もくりっく株365と現物との乖離はあるのか?

東京金融取引所のお知らせにもある通り、金利ルールが変更になったことで乖離は狭まる方向になるでしょう。
11月ほどの乖離は起きないと思われますが、今までの経緯から考えると注視した方が良いかもしれません。

今後は現物との乖離が狭まることが予想されますから、ひとまず、私達投資家としては
GMOクリック証券でNYダウ買い、くりっく株365でNYダウ売りをすると価格差を利用したさや取りができそうです。

GMOクリックでNYダウ買い、くりっく株365でNYダウ売りで得られる利益

最後に参考までに。
配当取りが難しくなったくりっく株365のNYダウですが、発想を転換して、売りを考えみても良いかもしれません。

くりっく株365の乖離が縮まっても、GMOクリックとの金利差があるので「金利差を利用したさや取り」もできそうです。

◆GMOクリック証券CFDのNYダウ
 買い:金利支払いなし
 売り:金利受取りなし

◆くりっく株365のNYダウ
 買い:金利支払いあり(-175円/日)
 売り:金利受取りあり(+175円/日)

毎日、+175円分の差がある!
※175円は、2017/12/28の金利

2017年の配当、金利から各月に受け取れる「金利 – 配当」を計算してみました。
1枚あたり年間で+9,565円です。

くりっく株365 NYダウ1枚売りの配当・金利(単位:円)
配当 金利 金利 – 配当
1月 -2326 5425 3099
2月 -7451 4900 -2551
3月 -2544 5425 2881
4月 -2154 5250 3096
5月 -8815 5425 -3390
6月 -1835 5250 3415
7月 -2614 5425 2811
8月 -8583 5425 -3158
9月 -1755 5250 3495
10月 -2245 5425 3180
11月 -9415 5250 -4165
12月 -4573 5425 852

※配当は2017年実績値を利用。金利は2017/12/28の金利×月日数より算出。

2,5,8,11月は金利を上回る配当なので、その月を避けると更に利益が増やせそうです。
現状のくりっく株365の売買コストでは難しいですが、スプレッドが縮小すれば配当が多い月を避ける方法も現実味を帯びてくるでしょう。

前回記事でも書きましたが、米国株指数への投資には、GMOクリック証券CFDをメインに考えています。
NYダウ、ナスダック、S&P500が取引できる、金利も無く、スプレッドも安いからです。