長期投資したい!おすすめの中国株5選

2018年6月30日

GDP2位の中国。景気減速と言われつつも日本に比べれば遥かに高い経済成長率です。
長期投資なら、人口減が進む日本よりも中国市場への投資ではないでしょうか。

投資信託やETFで中国市場全体に投資する方法もありますが、今回は個人的におすすめしたい中国銘柄をご紹介していきます。

中国経済についておさらい

人口世界一の大国

中国は世界一の人口を誇る超大国。
人口数は2019年末時点で14億人と世界総人口の1/5以上を占めています。一人っ子政策の影響がありましたが、現在も年間+0.3%の上昇率で緩やかに増加しています。

人口が多いということは労働力や消費需要も大きいということ。
縮小する日本市場と違い、人口ボーナスが期待できます。

GDP世界2位

世界で一番多い人口を誇る中国は、この数十年で大きく成長してきています。
中国は、米国に次ぐ世界2位のGDPを誇ります。

GDPランキング(2018年)
順位 国名
1位 米国
2位 中国
3位 日本
4位 ドイツ
5位 イギリス

中国の経済成長率は、2020年1-3月期にはコロナウイルの影響で-6.8%と落ち込みましたが、4-6月期は+3.2%と回復してきています。下半期も+3%と経済復興が加速する見通しです。

対して、日本は2018年の経済成長率は0.8%、同時期の中国の成長率6.6%と比べると少ないと言わざるを得ません。今後も日本は差を広げられていくことでしょう。

おすすめの中国銘柄5選

成長著しい中国。では、どんな銘柄がおすすめなのでしょうか?

今回は定番もありますが、有名・人気の中国株を5つ紹介していきます。

テンセント(騰訊)

テンセントは香港証券取引所に上場している中国最大の時価総額を誇るゲーム会社です。その時価総額は世界で見ても高く、2020年6月23日には約65兆2000億円と過去最高額を更新し、アリババを抜いてアジア1位になりました。
テンセントは過去15年間で売上高が300倍以上に伸びており、今後も成長する企業でしょう。

テンセントについて詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。
>> トヨタを超える時価総額 中国株テンセントとは?

アリババ(阿里巴巴集団)

アリババはテンセントに次いで中国で2番目に高い時価総額を持つ中国最大のEコマース会社、ニューヨーク証券取引所に上場しています。
日本ではソフトバンクの孫正義社長が出資したことでも話題となりました。こちらも成長著しく、過去9年で40倍以上も売上高を伸ばしています。

アリババは、2020年8月にはテンセントを抜き時価総額ランキング7位となりました。
アリババとテンセントは注目しておきたい企業です。

>> 孫正義も投資する中国企業アリババとは?

NIO(上海蔚来汽車)

NIOは2014年に上海でウィリアム・リー氏が創業した中国の電気自動車(EV)メーカーです。
2018年9月にはニューヨーク市場で株式公開をし、中国だけでなくアメリカ、ドイツ、ロンドンにも拠点を持つ世界企業です。
最近は米国のEV自動車株「テスラ」が非常に好調ですが、NIOは「中国のテスラ」とも呼ばれています。

  1. 販売車の発火事故によるリコール問題
  2. 新型コロナウイルスによる従業員への給料遅延問題

NIOの株価は上記の問題によって、一時は上場時の1/10近くにまで落ち込んだこともあり、倒産危機をささやかれていたこともありました。

しかしその後は株価が回復し、現在は年初の安値と比較すると5~6倍ほどにまで株価が上昇しています。
その理由として以下のポイントが挙げられます。

  • 中国政府が2020年で終了予定であったEV購入補助金を2022年まで延長し、需要が回復していること
  • NIOはテスラより安く高級感のある車体で着実にユーザーから支持を集めていること。
  • 高級EVは政府の補助金対象外だが、バッテリ交換方式を採用するNIOは高級EVで唯一政府の補助金の対象になること。また、バッテリ交換方式は時間のかかる充電方式と違い、3分程度で交換可能なこと
  • 中国最大のバッテリーメーカーCATLとのバッテリ資産会社を造る予定であること

これらのことを証明するように2020年5月にはNIOの納車台数が過去最高の3500台近くに上り、4~6月期の納車台数も過去最高記録を更新しています。今後の成長にも目が離せない要注目企業です。

BYD(比亜迪)

BYDは香港証券取引所に上場している中国最大の電気自動車メーカーです。

BYDの始まりは1995年、自動車メーカーではなく家電用バッテリーメーカーとして創業しました。その後、2003年に「バッテリーの技術を活かすため」という普通の自動車メーカーとは異なる経緯で自動車業界に参入します。2008年には世界最大の投資会社バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット氏が出資したことで話題となりました。2016年には約50万台の電気自動車を販売するに至っています。また電池メーカーとしても世界3位という大企業です。

BYDの過去の業績を見ると、その好調ぶりが伺えます。

売上高は8年間で約2倍、営業利益は8年間で約3.5倍になっています。

BYDは現在、メインである自動車事業以外の生産でも注目されています。
それが「電気自動車のCPU」とも呼ばれるIGBT(Insulation Gate Bipolar Transistor)と呼ばれる部品です。
IGBTはEVの電力管理システムに関わる部品で、EVの中でバッテリーに次いで高価な部品となっています。

BYDにはBYD semiconductorという半導体部門があり、中国国内でIGBTを独自に開発できるのはBYDだけです。
またIGBTは自動車だけでなくエアコンや冷蔵庫、高速列車など他分野でも広く利用されており、世界でも大きい市場になっています。
BYDは、中国が普及に力を入れているEVの生産だけでなく、世界的に利用が拡がるIGBTの生産と言う意味でも今後に期待できる企業です。

シャオミ(小米科技)

シャオミは2018年7月に香港証券取引所に上場した総合家電メーカーです。
2011年にスマートフォンメーカーとして創業し、2014年にはサムスン・アップルに次ぐ世界3位の大手スマホメーカーになりました。
その頃からスマートフォンと繋がるテレビや空気清浄機などの「スマート家電」なども発売、現在はスマートフォンを中心に据えた総合家電メーカーとなっています。
2019年12月より日本市場へ参入し、日本でシャオミ製のスマートフォンも発売されるようになったため、名前を御存じの方も多いことでしょう。


シャオミは創業以来、高品質な製品を安価で販売するという手法で売上を伸ばしてきました。
近年は主力であるスマートフォンだけでなく、スマートフォンに繋がる周辺機器(IoT and lifestyle products)とインターネットサービスの売上も順調に伸ばしています。
シャオミは海外売上の進出も目覚ましく、2020年1-3月期にはグループ全体の売上高に対する海外売上比率が初めて50%を超えました。

シャオミにとって海外市場の主戦場であるインドでは11四半期連続でスマホシェア1位を維持しているほか、2020年4-6月期には欧州でのスマホ出荷台数が前年同期比+65%と大きな伸びを見せています。

同じ中国のスマホ会社ファーウェイが米国の禁輸措置によって海外での出荷台数が落ち込んでいる中、シャオミの今後のさらなる成長に注目です。